インター校生 英語と国語の優先順位は?【バンコクおやこ相談室2025年8月号】
- あせすトンロー・プロンポン個別学習院
- 8月6日
- 読了時間: 4分
【今月のご相談】
タイのインター校に子どもを通わせています。6月末からの長い夏休み期間中、サマースクールのような感覚で日本の小学校に通わせていました。インター校でも国語の授業はあるのですが、日本の学校との差を痛感したようで、国語をもっとがんばらないと!という意識が本人の中に芽生えているようです。また、一方ではインター校のサマースクールに参加しなかった影響で、英語の出遅れも意識することになり、時間がいくらあっても足りないような感覚です。焦る気持ちばかりが高まって空回りするようになると可哀そうなので、一緒に優先順位を決めて行ってあげたいのですが、同じような環境に置かれたことのない私には、なかなか良い助言をしてあげられません。
【今月の回答】
インター校と日本の両方の教育の優先順位をどうするか。お子様のインター歴、本帰国のご予定、将来の進路などによりパターンは無限にありますが、いくつかの観点を挙げると次のようになるかと思います。
①まずは学校の勉強を最優先
学校が始まると、生活の中心は家庭と学校の二軸になります。学校での生活が充実していなければ、学生生活は楽しめません。また、どの言語で学習するにしろ、学校の授業から言語以外で学んだこと、身につけたことは、日本に戻った後にも役立ちます。英語自体だけではなく、英語で何を、どのように学んだかが将来生きるはずです。
②本帰国時期はいつの見込みか
ポイントは「卒業までインターに在学できる見込みがあるかどうか」です。卒業まで在学できる見込みがあれば、もし日本に戻るとしても大学受験です。日本には多くの科目を英語で受講できる大学・学部が増えてきています。インター校の卒業まで英語力の向上と、学校での学習に力を入れ続けることで、進路を探しやすくなるでしょう。
逆に卒業までいられない場合、高校までのどこかで受験・編入し、日本の学校教育を経て大学受験をする、という道へ進むことになります。この場合、日本語で学校教育を受けるケースがほとんどなので、日本型の学習が必要です。本帰国前から計画的に準備をしておくことが大切です。
・卒業まで在学見込み→英語力向上が進路につながる
・卒業までいられない→日本型の学習が必要
③優先すべき科目は何か
もし高校までに日本に戻る場合、優先すべき科目は何でしょうか。個々の状況により変わりますが、一般的には国語(現代文)と算数・数学が重要です。
国語は経験値の差が出やすく、付け焼き刃で対処するのが極めて難しいものです。よって、早い時期から一定のペースでコツコツと進めていくのがよいでしょう。日本人学校生に比べて習熟度が低いケースが多いですから、学齢にかからわず現時点での国語力から積み上げていきましょう。
算数・数学は、インターでの学習内容と重なる部分もずれる部分も出てきます。また、日本の学校に比べてインターの学校での学習では学習事項の定着が甘い傾向があり、「学んだ記憶はあるが、細かい部分は覚えていない」というケースが日本人学校に比べて多いように感じます。よって、日本の学齢にとらわれることなく、「知っている、解けるところは飛ばす」「知らない、解けないところを重点的に学習する」という形で進めていくのが効率的です。
その他の科目は、戻られる学校によって必要になるものは変わります。
④時間がない?
学校の勉強も日本語の勉強もやらなければならないけれど、時間がないという場合、まずは1週間のスケジュールを書き出してみましょう。学校関係以外で行っていること、例えば習い事などをピックアップしてみましょう。
「本人がやりたいというものはやらせてあげたい」というのは、おうちの方としては当然の心情でしょう。しかし、学校や日本型の学習とどちらを優先すべきかを冷静に判断することが求められます。
お子様がやりたいことと、おうちの方が必要だと思っていることがぶつかることもあると思います。勉強をするのはお子様本人ですから、お子様がやりたいことを抑えるときは、やらなければならないことがあるということを伝えて、わかってもらうことが大切です。やりたくないことを本人の意思や理解もなくやったとしても、なかなか身につくものではありません。
私たちあせすにも多くのインター生が通ってくださっています。目指すものは一人ひとり異なるのですが、塾のメリットの一つに、短時間で効果的、効率的な学習ができるところ、があります。それを活用していただくのも一つの解決策でしょう。
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