日本帰国前の編入準備(前編)【バンコクおやこ相談室2025年12月号】
- あせすトンロー・プロンポン個別学習院

- 3 日前
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【今月のご相談】
夫のタイ駐在がそろそろ終わり、我が家は来春に日本へ本帰国することになりそうです。そこで一番の悩みが現在インターナショナルスクールに通わせている息子のこと。日本帰国後は、私立小学校があまりない地域に住むことになり、恐らく公立小学校へ編入することになります。国語と算数が苦手なうちの子が、日本の小学校中学年の勉強に付いて行けるか心配です。3~4か月でこの2科目の苦手を克服し、来春からの日本の学校生活を、できるだけスムーズに始めさせてあげたいのですが……。
【今月のご回答】
まず確認すべきは、お子様の現状の国語力がどれくらいなのか、という点です。より正確にいえば、国語力ではなく日本語力というべきかもしれません。次のステージのどこにいるかを確認してみてください。(学年相応にできているかどうかを見ていただくとよいです。判断基準が難しいですが…)
①会話ベースの日本語
Point 1. 学校の先生の話を理解することができそうか
→[確認方法]保護者の方がお子様の日常生活についていくつか質問してください(Yes, Noで答えられないもの)。その受け答えが自然か、質問の意図に合った答えになっているかを確認しましょう。
Point 2. 同年代の子たちとコミュニケーションがとれるか
→[確認方法]同年代の日本人の子たちと接する機会があれば、そこでのコミュニケーションの様子を確認してください。ポイントはお互いの気持ちや意図が通じ合っているかどうかです。
②漢字習得のレベル
Point 3. 何年生レベルの漢字まで読めて、書けるか。
→[確認方法]日本漢字能力検定協会のHPに過去の出題例・解答が載っています。漢字の読み書きの設問だけでよいのでやってみましょう(書き順、画数、部首などはとりあえず後回しでも可)。7~8割できていれば、とりあえず何とかなるかと思います。少なくとも読みは問題ないレベルでないといけません。日本における自分の学年の漢字までは読めないと、日本の学校教育についていくのが難しくなります。
なお、漢字検定は10級が小1修了、9級が小2修了……となります。詳細は漢検協会のHPを参照してください。
③文章の音読、理解
Point 4. 日本語の文章の音読がスムーズにできるか。
→[確認方法]漢字が少なめで切れ目のない文章を読ませてみて、イントネーションがスムーズかどうかを確認しましょう。スピードは気にしなくてよいです。「わたしは ごはんを たべた」のように文章にスペースが入るのは小2途中までで、それ以降は切れ目のない文章ばかりになります。
Point 5. 文章の内容についての質問に答えられるか。
→[確認方法]音読が終わった後に文章の内容について質問してみましょう。質問は英語の疑問詞(いつ、どこ、だれ、何、いくつ、どのように)を意識して、Yes、Noで答えられない質問をしましょう。スピード・イントネーションに問題がなくても、文字ばかり追いかけて読んでいるために内容を全然理解していない子は結構います。その場合は、例えば物語なら「いつ、どこで、だれが、だれと、何をして、どんな気持ちだったかに気をつけて、ゆっくり読んでみてね」と指示して、改めて質問してみましょう。
④設問への解答
Point 6. 設問を読んで、問われていることを理解できるか。
→[確認方法]市販の教科書ワークやドリルなどで構わないので、文章を読んで設問に答える形式のものをやらせてみましょう。設問を読ませて、「この問題では、どんなことが聞かれているかな?」など、その設問で問われていることが何かを聞いてみます。「いつしたか」「やった場所」「こわかった理由」など出てくれば十分です。
Point 7. 設問に合った答えを探せるか。
→[確認方法]設問の内容に合った答えのもとになる部分を文章から探せるかどうかをチェックします。「文章のどこに書いてあったかな?」と聞いたときに正しい場所を選べていることがスタートラインです。次は、「なぜ」だったら「……から。」、「どんなこと」には「……こと。」など、設問に合った形に直せているかです。できていない場合は、問われていることの再確認も必要です。高学年であれば、「文章のその部分を選んだのはなんで?」など根拠を尋ねるのも効果的です。
以上7つのチェックポイントでお子様の国語力の現状を把握しましょう。これで残り数か月、何を優先して学習すべきかがだいぶ見えてきます。
では、どうすればよいか、ですが、だいぶ長くなってしまったので、次回の記事でお伝えします。

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