中学受験する友だちとの間に学力差を感じる【バンコクおやこ相談室2025年9月号】
- あせすトンロー・プロンポン個別学習院
- 15 時間前
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【今月のご質問】
うちの子は現地日本人学校に通っているのですが、小学校中学年に進級したくらいから仲の良いお友だちとの学力差を感じ始めているようです。この夏休み中、うちは日本へ一時帰国してゆっくり過ごしていたのですが、友だちはタイに残り、学習塾の夏期講習などで勉強していたようなので、また一段と差が開いているような気がしています。このまま中学校受験を目指すようなお友だちに取り残されて行くことなく(特に算数)、勉強への苦手意識を持たないようにしてあげたいです。
【回答】
小学校中学年になると将来の中学受験を意識して塾通いをされる方が増えますね。お子様と仲の良いお友達ももしかしたらそうなのかもしれません。
中学受験を目指す方にとって、学校の勉強は簡単と感じることが多いでしょう。そのため、かえって中学受験をしないお子様は、中学受験を目指す子と自分を比べて差を感じてしまい、学校の勉強へのモチベーションを下げてしまう可能性もあります。これは避けたいですね。
そのためには、まず、小学校の学習内容を高いレベルで理解し、学校のテストで高得点を取ることを目指しましょう。少なくとも「小学校では彼らと同じような点数が取れる」という状態ならば、お子様も安心して学校の勉強に取り組めるでしょう。小学生の子たちにとって、授業で先生の話を聞き、自信をもって手を挙げられるのはとてもうれしいことで、ほかの教科にも、また勉強以外の学校生活全般によい影響が出ることが多いでしょう。
そうはいっても、小学校中学年くらいからは、中学受験をするしないにかかわらず、学校での学習内容を学校の授業だけで十分に習得することが難しくなっていきます。特に小4以降は小3までに比べて、生徒間の学力差が大きく広がっていきます。
それは、学習する範囲が1、2、3、…という実際にイメージしやすい数から、小数、分数などの世界に広がっていくからです。小学校高学年になると、「弟はお兄さんの0.6倍」、「1㎡あたりの子どもの数は1.4人」など、数字の概念の理解が求められる内容が次々に出てきます。まず内容を理解し、さらに使いこなす練習をしないと、身につかない単元がどんどん増えていきます。
そして、それらの単元はおうちの方にとって家庭学習での対応に限界を感じる単元で、「自分は問題を解けるが、小さい子でも分かるようにそれを説明するとなるとどうしたらよいのか」と感じるものが多くなるでしょう。実際に、小4生の2学期以降は、中学受験はしないのだが学校の勉強が難しくなってきた、家で対処できなくなってきた、という方からの問い合わせが増えます。
漢字や計算のドリルをやる、など基礎学習の分野はご家庭で毎日ルーティン化をして進めることが大切です。ただ、ドリルも「一度やったらやりっぱなし」となることが多く、解いたときは解けるのだけど、時間が経つと忘れてしまっているというケースもあります。時間をおいて以前の内容がわかっているかどうかを振り返ることができるのが理想ですが、実際には、難しいですね。
ご家庭での学習のフォローアップに限界を感じられたら、学習塾などの出番となるのだと思います。私も数十年、中学受験をする小学生、しない小学生の両方を見てまいりました。中学、高校、大学のどれでも、受験をする、となるとやらねばならないことは自ずと決まり、お子様がどのレベルであっても学習の方向性は似通ってくるものですが(海外在住の場合、帰国生受験の科目や内容は多岐にわたりますが)、中学受験をしない小学生の場合は「今何をやるべきか」が多岐にわたり、また、学習内容が定着しているか、また忘れてしまっていないかの確認・発見と、その対処が大切です。私はそのような仕組みを作ってみなさんに提供したいと考えて、今、教室を運営しています。
勉強に苦手意識を持たず、学校の勉強を理解して楽しい学校生活を送ることができているかどうかは、おうちの方の目でチェックし、対処していくことが大切です。しかし、その対処が家庭ではうまくいかなくなってきたら、外部の力を使っていくのがよいでしょう。
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