【ご相談】
小学生の子どもをインター校に通わせています。将来のために国語の能力をある程度のレベルまで高めたいと思い、自力で日本の教材を買ったりしながら家庭学習に努めています。日本語の文章の読解力などもさることながら、日本語の文法問題を特に苦手としているのが少し気になっています。品詞の分類などは親の私自身も怪しいところがあるし、特に気にしないでもいいかな? と思う一方、やはり何とかしたいという思いもあり……
【ご回答】
国語力を高めるということであれば、今は、漢字を含めた語彙力、物語(小説)と説明文(論説文)の読解力の2点がとても重要だと考えます。ほとんどの帰国生入試では、ご相談にあるような国文法(日本語の文法事項)はほとんど問われることはありません。また、学校生活を英語で送っているお子様に日本語も日本の学生と同レベルのことを学習していけるかどうかは、大人側がお子様の様子を見ながら、冷静に判断すべきところだと思います。すべてを同時に、同じ力で、というのはたいへん難しいものと思われます。特に語学であればなおさらでしょう。お子様の状況によって優先順位付けをし、できるだけスモールステップで学習を進めていく必要があるケースが多いでしょう。
今はインター校にお通いですし、帰国生入試を考えれば英語力をできるかぎり高めておくことは必ずプラスになりますから、日本語については文法・古典まで含めた全分野を今から学習しなくても、まずは先述の2点にしぼって力をつけることを主眼において日本語の学習を進める方がよいでしょう。インター校にしばらく在籍されるのであれば、急いで国文法の学習をする必要はありません。
ただし、中学受験を考えられている場合は、早くから熟考が必要です。
・志望校はどこか。その学校が海外帰国生に求めていることは何か。
・志望校に帰国生入試はあるのか、一般入試のみなのか。帰国生入試の問題は一般入試と同じか別か。別であっても国文法は出題されるのか。
・帰国生入試ありの学校を受ける場合、日本で中学受験の勉強をバリバリやってきた生徒たちの中にどういった形で入っていくことになるのか。海外帰国生へのサポートはどれくらいあるか。
これらによって、小学生の間から国文法を学習する必要があるかどうか、どれくらいのレベルまで学習すべきかが変わります(古典の出題はふつう中学校の編入試験以降です)。国文法を、問題に対して答えられるほどに理解するには、ある程度の期間が必要です。直前になってから詰め込みでやるより、理解した理論を実際に言葉として使うことでより定着しやすくなります。そのためにも、お子様がいつ国文法を必要とするのかを考えて学習することが必要です。
とはいえ、ご相談にある通り、国文法は大人でも理解は怪しいが、使う分には問題ない、というものであり、今から全員が100%の力でやらねばならないものではありません。国語の学習として、それよりも優先すべきことはたくさんあります。お子様の日本語の力を客観視して、今必要なことに取り組んでいくようにするのがよいでしょう。
客観視が難しければ、学習塾に頼るのも一手です。インター校生が多く通塾している塾であれば、日本語の発達度合いとご希望の進路に合わせて、今何をするべきかのアドバイスを手にすることができるでしょう。
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