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執筆者の写真あせすトンロー個別学習院

春休みは前学年の振り返り?新学年の先取り?どっちをするべき?【パノーラおやこ相談室2024年月号】

【ご相談】

 新学期から日本人学校の4年生に上がります。前学年までの取りこぼしが少し目立ち始めていたので、長い春休み期間中に何とかしようと考えたものの、なかなか思うように進みません。このような場合、春からの新学年の学習内容を重視して勉強させるべきなのか、それともまずは前学年までの学習内容を確実なものとすべきなのか、どちらが正しいのかで迷っています。迷った挙句、どっちつかずになってしまうことだけは避けたいのですが……。


【ご回答】

 日本人学校の長い春休みも半ばを越え、新学期のスタートまであと半月あまりですね。今回のご相談は春休みの残りの期間で、新学年内容の予習と前学年までの復習のどちらを重視するべきか、ですね。前学年までの取りこぼしがどこにどれくらいあるかによって異なる対応が必要です。

 新学期が始まると、先生も生徒も入れ替わった新しいクラスで、人間関係づくりを一から行うことになります。これは大人が思う以上にお子様たちには精神的な負担となります。よって、お子様の他の負担をできるだけ減らしてあげることが望ましいです。私たちの教室では、長期休みを次学期の先取りに使うことで、学期当初のお子様の学習面の負担を減らすことが、お子様の学校での学習をよりスムーズに効果的にすると考え、年間のカリキュラムを作っています。もちろん、お子様の学習状況に合わせて、必要な復習を追加して行うことも多いです。

 また、新学年の内容は、前学年の内容が100%できていなかったとしても進められるものが多いですし、特に算数においては小学校のカリキュラムがらせん型になっていて、自然と前の学年の復習をしながら進むようになっている単元が多いです。

 しかし、カリキュラムがらせん型になっていたとしても、新しい内容を勉強するための前提が定着していないという状態であれば復習が必要です。例えば、小学4年生で小数×整数のかけ算を学習しますが、その前提として小学3年生で学習する、2~3けたの整数×1~2けたの整数のかけ算ができていないと、新内容の定着に支障が出ます。このようなケースでは、新学年の内容を行う前に前学年の復習を徹底する必要がありますし、復習の徹底には春休みのような長期休みの活用が効果的です。

 つまり、お子様の現状把握と、その現状に合わせた対応をしていくことが、この春に必要なことです。前学年の学習内容のうち、次の学年にも影響する内容はどれくらい分かり、解けるのか。次学年の学習に支障がなければ先へ進み、支障があるようであれば復習から入るのが適切です。

 また、私たちの教室では、苦手な教科を週に2回受けて、1回は現学年のものに取り組み、もう1回は前学年までの復習を行う形で授業を受けてくださっている方もいます。

 お子様の現在の学習状況がどうなのか、問題があるのかないのか、あるとしたらどこなのか、は学校の単元テストなどでは分かりにくいですね。そこで、私たちの教室では、授業をお受けいただく前に診断テストを実施し、お子様の現状の学力や問題への取り組み方(答えが間違えていても、途中の計算などを見るとどこまで分かっているかがつかめることも多いです)を見て、先取りとキャッチアップのどちらをお勧めするか決めています。どこから始めればよいのか迷った場合は、ぜひご相談ください。

 ただし、バンコクにあるたいていの学習塾では、ソンクラン期間中はお休みとなりますから、お問い合わせは早ければ早い方がよいです。


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