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パノーラ相談室11月号【学習環境の見直し】

  • 執筆者の写真: あせすトンロー・プロンポン個別学習院
    あせすトンロー・プロンポン個別学習院
  • 2022年11月3日
  • 読了時間: 3分

今月のご相談


「海外子女は日本国内で生活している子どもより国語が苦手になる」と聞いていたのですが、自分の子どもにもその傾向が見られます。中学校進学が迫ってきたので、小学生のうちに何とかしたいです。小学校の国語にはあまり文法の単元がないように思いますが、たまに出てくる「主語と述語の関係」といった問題が特に苦手です。国語の勉強は時間がかかるような気もしますが、何とかなるものでしょうか?




ご相談への回答


バンコクでは当然のことながら、日本で暮らしている状態と比べて圧倒的に日本語に触れる機会が少なくなります。このため、日本人学校・インター校等関係なく、小学生のうちは国語力に大きな差が出やすくなる傾向があるのは確かです。一般的に母国語の形成は小学校3年生から4年生くらいまでと言われています。小学生が圧倒的に多いバンコクでは、非常に気になる話題です。

当校では、海外で暮らしているからこその「母国語としての国語力」という部分を強く意識しています。一般的な塾での国語の学習といえば、問題演習が主体になることも多く、授業の形式上どうしても限定的な解説になりがちです。当校でももちろん読解演習は行いますが、生徒の学年や習熟度に合わせて音読や語彙調べ、要約など幅広い国語学習に取り組んでいます。特にインターに通っていたり、片親が日本人ではない場合は必然的に語彙力が弱くなる傾向が強く、スムーズに文章が読めないといった状況が生まれやすくなります。ですから文章問題を解く以前に、少しでも日本語に慣れてもらえるような取り組みをご家族とご相談の上、実施しています。物事を真剣に考える際、使用する言語は普通母国語になります。だからこそ母国語である国語の正しい習得は、単に国語の学習という範囲に収まらず、すべての思考力の根源を確立するということを理解することが重要です。

また今回のご質問のように、現行カリキュラムでは国文法の学習は体系的に取り組みにくくなっています。各単元がある程度の間隔をあけて、不定期に取り扱われることが原因です。さらに文法の問題が本格的に出題されることも多くはなく、その上細かい知識や使い分けを要求されるために子どもたちが苦手意識を持ちやすい内容になってしまっているのも事実です。しかし、正しく言葉を使うためには必要な知識ですから、日本人としては正しく身につけてもらいたいですし、日本のカリキュラムのテストでは当然出題もされます。ですから通常のカリキュラムではなく、短期間で体系的に集中して取り組むことで、上手に習得してもらえればと思います。一般的に国語の学習は時間をかけて積み重ねていくものと考えられますが、それは読む力であり、書く力です。知識はより短期間で習得できますので、ぜひ学校の休暇を利用して期別講習などで取り組んでみてください。

現在、日本を含む多くの地域で思考力を高める教育が進められています。これが意味するところは、知識だけではなく、与えられた情報を的確に捉えて正しく処理する力が求められるということです。語学だけではなく算数・数学や理科の内容でも同じ傾向が強く見られます。また当然のことながら、日本語の正しい習得は外国語を学習する際にも良い影響を与えます。小学生のうちに言葉や文法、読み取りなど、多角的に日本語学習に取り組んでいただくことをお勧めします。


ある程度の年齢に達するまでは、母国語学習が十全でない子どもたちの学習遅れが顕著に表れています。長らく多くの子どもたちを見させていただいていると、この母国語力の重要性を痛感します。日本語ネイティブとして生活していく予定がある子どもたちなら、まずは国語をしっかり勉強することを意識されることをお勧めします。


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