【ご相談】
子どもをインター校に通わせています。長期休みを利用して日本に一時帰国した際に同学年の日本の子どもたちと接する機会が多かったことで、日本語をもっとできるようになりたいという気持ちが本人にも芽生えてきたようです。とはいえ、インター校の新学期が始まれば登下校にも時間がかかりますし、英語の学習に割く時間も長くなります。限られた時間の中で、効率よく国語の苦手を補うコツがあれば教えてください。
【ご回答】
学校が始まってから限られた時間の中で国語の学習を進めていくのに効果的な方法は何か、というご質問ですね。この質問に対する答えはお子様の学年や日本語レベルによって変わります。お子様の現状がどれに近いか、お考え下さい。
1.日本語の文章をすらすら読めるか?
すらすら読めず、たどたどしくなってしまう場合、音読練習の不足が考えられます。この場合は、毎日10~30分程度、現段階で読める文章を大人と一緒に声に出して読む練習を繰り返すことが必要です。また、小1~2レベルの文章ですと、会話では使っている語句が多いものの、それが文字になると理解できない、というケースが多いです。日常会話と、文字を見て読むのは全く別のものと考えていただくことが大切です。
2.読みながら文章の内容を把握できているか?
読めることは読めるが、文章の内容を尋ねるとあまり返ってこない場合は、文字だけを追いかけて一生懸命読んでいるのだが、言葉の意味を理解していない可能性があります。特に読むスピードが速すぎる場合は、むしろ声を出すことだけに意識が取られてしまっている状態なので、言葉の区切りを真似させながら音読することが必要です。
スピードが適切なのに内容を把握できていない場合は、語彙力が足りない状態でしょう。文章の中で意味が分からない言葉や表現を見つけたら、面倒くさがらずに調べるくせをつけたいものです。最初は自分ひとりではできないでしょうから、おうちの方が一緒にやってあげるようにしましょう。
いっぺんに長い文章を読ませるのではなく、一つ段落を読み終わったら、段落の内容にについて質問してみましょう。物語だったら「だれが出てきた?」「何をしていた?」「だれと?」「いつ?」「どこで?」「どんな気持ちだった?」など、Yes、Noで答えられず、かつ一言、二言で答えられる質問がよいでしょう。見つけられなければ、「このあたりに書いてあるよ」などヒントを出しましょう。一生懸命探そうとしてくれるはずです。答えられたら、あるいはがんばって探していたら褒めてあげましょう。
3.設問で聞かれていることに対して適切な答えが返ってくるか?
文章を読んで問いに答える問題では、「この問題では何が聞かれているかな?」などとその問題で聞かれていることを質問してみましょう。「『まさるくんがげんきくんと話したときにどんな気持ちになったか』だね。まさるくんがげんきくんと話していたところはどこかな?」「そのあたりに気持ちがあったよ、探してごらん」など、最初はある程度導いてあげることも必要でしょう。
言葉の学習は短期的なものでは身につきません。毎日短い時間でもよいので、長期間にわたってじっくりと取り組むことが大切です。これは漢字学習においても同様です。
おうちだけで取り組むのが難しければ、学習塾を使うのも一つの手でしょう。バンコクにある学習塾であればインター校にお通いの生徒の指導も多く行っているでしょうから、ご相談してみてはいかがでしょうか。
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