【今月のご相談】子どもの冬休みのことが気になります。いつも長期休暇に入る前に学習計画を立てさせるのですが、それが実現できた試しがありません。うちの子は計画段階での理想は高いものの、途中で一度できなくなり始めると、次第にやる気を失っていくパターンが多くなっています。かと言って、当初の計画のハードルを下げさせて本人のやる気を削ぐのもどうかと思い、次こそやってくれる! と信じたくなるのが親の欲目。どのように誘導すればいいでしょうか?
【ご回答】
もうすぐ冬休みですね! 長い休みを楽しんでほしいと思うとともに、有意義な時間の使い方をしてほしいということは、保護者の方の強い願いかと思います。
しかし、長期休暇前に立てる計画はうまくいかないことが多いですね。なぜ実行できないのでしょうか。それは「計画が大きすぎる」「計画が細かすぎる」からです。相談者の方がお書きになったように、目標が大きすぎたり細かく決めすぎたりして実行しきれず、モチベーション低下によりあきらめモードに入る、というのはよくあることです。
では、どうすればよいか。いくつかポイントを考えてみました。
①やるべきことのリスト化、見える化
この冬にやらねばならないこと、できたらやりたいことなどを、細かいことでもいいからたくさん上げてリスト化、見える化しましょう。親子双方から見えるようにし、終わった項目は線を入れて消すなどすると、現時点での達成度合いが見えます。保護者の方はお子様を褒めやすいでしょうし、お子様は自分の努力で進んでいくのを目にできますから、モチベーションを維持しやすいです。
②今日のメニュー、時間帯は本人が決める
1週間など比較的長い期間のメニューをあらかじめ細かく決めるのはお勧めしません。朝起きて、リストの中から今日やるメニューを決める、でよいでしょう。長くても2、3日がよいです。もちろん、リストの残りを考え、そのペースで長期休暇中に終わるかどうか、また、勉強の時間帯も本人に考えさせましょう。小学校の半ばからは「自分のことは自分で決めたい」と思う気持ちが強くなります。それは尊重すべきことです。ただし、「自分で決めたからには守る責任がある」ということも理解させていきたいですね。
③目標を段階分けする
目標は大きなもの1つだけにせず、細かく分けた小さなものがいくつもある方がよく、第1段階はちょっと手を伸ばせば届くくらいの目標にすることが大切です。「『今日は絶対にこれをやるぞ!』はどれ?」「そして、もしもう少しできそうなら、どれをやる?」
お子様が立てた目標が保護者の方から見ると小さすぎると感じることもあるかもしれません。しかし、最初はそれでよいのです。成功体験が得られ、褒められる、認められる、となれば、モチベーションが上がり、自ら取り組む動機づけになります。
すぐ取り組めそうなことを挙げると、以上となります。ただし、小学生の低学年など、自分ではやりきれない場合は、保護者の方のサポートが必要です。
そして、やると決めたらやりきらせることも大切です。目標を決めても実行しないのであれば、今後もずっと同じことが続きます。小学生のうちはなんとかなっても、中学生、高校生と進むにつれてお子様自身が苦労してしまいます。
そうはいっても「もう親の言うことなど聞いてはくれません」という場合は、外圧、つまり学習塾などを活用するのも一手です。あせすでも学習相談を無料で行っています。お気軽にご相談くださればと思います。
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