今月のご相談
小学校高学年の息子に少しずつ家庭学習の習慣を付けたいと思っています。学校の夏休みの宿題が少なかったので、勉強不足を補うために家庭学習用の問題集を買ったものの、取り組んでくれたのは最初の数日間だけ。結局、問題集はほぼ白紙で夏休みが終わりました。今年は久しぶりの一時帰国などもあり、習慣付けがむずかしい環境でしたが、それでも続けられた子もいることを考えると複雑な気持ちです。
今年の夏は約3年ぶりに帰国できるということで、例年に比べて多くのご家庭が一時帰国をされたという印象です。このため、帰国中も様々な用事が入り、なかなか必要量の学習に取り組めなかったお子さまは多かったのではないでしょうか。今回のご相談にあるように、学習の習慣づけとその可不可について今回は考えてみたいと思います。
まず学習の習慣づけをどのように達成するべきかという問題ですが、初めから本人の力だけで達成することはかなり困難です。逆に言えば、始めから自力で取り組める子は、そもそも大きな問題を抱えていないケースがほとんどだと思います。では、自力でできなければどうするのかというと、外部からプレッシャーをかけてあげる必要があります。それはご家族でもいいですし、我々学習塾の講師でもいいです。とにかく、決めたことを徹底する・させる環境づくりが必須です。またこの決めたことを徹底するということは想像以上に難しく、理由を見つけては取り組まない場合があります。そこをいかに管理し、徹底を継続するかが重要です。これが出来るようになれば、取り組んでいない状態が不自然な状態と感じるようになり、取り組むことが当たり前になるのです。とても難しいことで多くの方ができていないことですが、だからこそ挑戦する価値があります。
では、どのような取り組み方が適切なのかと考えると、間違ってやってしまいがちなのは時間で区切ってしまうことです。もちろん低学年の子や普段全く取り組めない子どもの場合は、まずは一日15分机に向かうといった決め方をしてもいいと思います。しかし、時間で設定する場合は必ず周りの大人が中身をチェックしてあげるようにしましょう。そうしなければ漠然と時間だけが流れてしまい、結局中身が無い時間を過ごしてしまった挙句に、本人にとっては勉強しているのにできるようにならないといった不安や不満が溜まることになります。従って学習設定は、一日〇ページを終えるや単語・漢字を50個覚えるなど、具体的に学力定着につながる設定にするべきです。ここをどのように設定するのかは子どもによりますし、難しい作業なのですが、成果に繋げるためには不可欠なことです。要領よく学習ができている子は、自然とこういったことが身についていることが多いのです。
学習能力が高い子どもたちは、普段から当たりまえのように学習する習慣が身についている場合が多く、なおかつその仕方も、効果に焦点を当てて設定しているケースが多いです。従ってまずは周りの大人が一緒になって子どもの習慣づけを目標としてみてください。ただ勉強しなさいと声をかけるだけではなく、実際に学習に集中できる空間を作ってあげる、普段の環境を離れる際もオンライン等を利用して継続して学習できる環境を整えてあげるといった実際的な援助が必要だと思います。当たり前のことを、そのレベルをあげながら、徹底できるよう取り組みましょう。
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