今月のご相談
小学生と中学生の2人を学習塾に通わせています。夏休みも一時帰国せずに勉強していたはずなのに、特に中学生の息子は9月末の定期テストも苦労しそうで、本人たちに確認しても、2人とも今の状況に手応えがあるのかどうかよくわかりません。成果が出ないのなら出費はかさむものの、家庭教師に面倒を見てもらった方がいいのかも…と考え中です。学習環境を見直す時に注意すべき点を教えてください。
ご相談への回答
最近皆様からお話を伺っているときによくお聞きするのが、塾に通わせてはいるものの、本人に任せきりになってしまって実情が把握でいていないというお話です。今回いただいたご質問と私たちの考えをすり合わせながらお答えしていきたいと思います。
先述の通り、塾側の手が回っていないせいか塾からご家庭へのコミュニケーションが極端に少ないといったお話も耳にするようになりました。塾に通うのは子ども自身ですから、まずは子どもが楽しんで通えるというのは大切な条件だと思います。しかしながら、塾によっては授業内容が子どもの学力や学習方法に合わないこともあり、いざ蓋を開けてみると塾での学習が全く身になっていなかったということもあり得ます。実際今年に入ってからご相談に来られたご家庭でも、よくよく確認してみたら塾の教材は白紙だったということも何件かありました。子どもたちは先生が面白く、仲がいい友達が通っているからといったことが通塾理由になりがちです。何のために塾に通うのかをしっかり考えて頂き、子どもや塾に任せきりにするのではなく、ぜひご家族も積極的に塾での学習や家庭学習についてお話ししてみてください。塾側が子どもの学習状況を把握しきれていないことや、ご家庭とリレーションがとれていないことは深刻な問題ですが、ご家庭からも積極的に塾側とコミュニケーションをとってみてください。そこがうまく行かない場合、よほど自ら学習に取り組める子ども以外は環境を変えるべきです。また勉強が苦手な子は、そもそも自分が「何ができて」「何が分からないのか」を把握できていないような場合も多いです。ですからなおさら、勉強そのものが苦手な場合や苦手な科目については、より細かく見てもらえる環境がいいと思います。
そして今回のご相談では、次の選択肢として家庭教師を考えられているようです。確かに家庭教師は集団塾と比べると丁寧に見てもらえると思います。しかし家庭教師の多くはカリキュラムを進めるというよりは、子どもが分からない個所に対応するといった取り組み方が多く、結果として遠回りになり遅れてしまうことが懸念されます。また意外なデメリットとして、いつでも質問できる環境が、子どもの考える力を奪ってしまうことも挙げられます。さらに個人で対応されている先生が多いため、人によっては塾と比べると情報量や進路指導などでの知識の偏りが気になるかもしれません。一般的に個別指導塾であれば、先ほど挙げたデメリットをうまく克服していることが多いので、選択肢に入れてみてください。
結論として、塾の授業のみに焦点を当てるのではなく、子ども自身に対して、またご家庭に対してもサポートしてくれるような環境を探されるのがいいかと思います。バンコクの教務指導については、集団塾も個別指導塾も家庭教師も、そこまで大きな出費の差はないように思いますので、ある程度の出費を前提にお考えであれば、ぜひ子どもの性格や学習目的にあった環境を考えてみてはいかがでしょうか。
保護者の方のお話を伺っていると、良くも悪くも惰性で通塾している子どもがそこそこの割合でいるようです。実際に環境を変えるかどうかは別として、お困りの際にはまずは相談してください。いろいろと話を聞いたり体験して、ここがいい!と思えるような場所を探してみてください。子どもの時期というのは長いようで短く、その上人生に与える影響がとても大きい大切な時期です。悔いのない選択をしてくださいね。
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