【ご相談】
今春から家族と一緒にバンコクに赴任することとなり、家族より先に現地入りして情報収集をしています。住居、医療と並び、気になるのは子どもの教育問題です。小学校中学年の子どもを日本人学校に通わせることになりますが、とても大きな学校だと聞いています。どれくらいの教育レベルなのかもまだよく分からず、「学習塾での補習が必要なのか?」「新環境に適応するために予習しておいた方がいいことはあるのか?」といったことを知りたいです。
【ご回答】
バンコク日本人学校は世界中にある日本人学校の中でも在籍生徒数が非常に多いことで知られています。特に小学部の在籍が多く、低学年では1学年が10クラス以上もあります。ただ、小学部においては、学校での学習内容や授業のレベルは日本国内の公立小学校と大きな差はないと感じています。
ただし、通っている生徒の学力層は、日本国内の公立小学校よりもはるかに広いかもしれません。小学校で行われる単元ごとのテストは日本と同様に平均点は高めですし、成績評価も3段階で、一番下(「がんばろう」)はほぼつきませんから、学校の成績だけで学力の違いを実感することはほとんどありませんが、中学部にあがるとその差が顕著に表れます。
中学部は、特に英語・数学で学力の違いが大きいことと、定期テストで出題される問題の難度が高く、かつ分量が多いことが特徴で、容易に良い成績を取ることができません。お子様の中学校進学後もバンコクに滞在される可能性が高いなら、小学校の学習についていくことも必要ではありますが、それ以上に中学校、高校で活きる学力をつけること、そのために小学校の間にできることを行っていくことがとても重要です。
では、バンコクにいらっしゃる前にやっておくべきことは何か? 私は、小学生ならば先取りをどんどん行うよりも、すでに学校で学んだことを高いレベルでできるようにすることだと考えています。ごく一部ですが、例を挙げると、
[算数]
・計算が速く正確に解けるか
・小数や分数などの概念を理解しているか(≒自分の言葉でよいので説明できるか)
[国語]
・すでに学習した漢字が使いこなせるか
・物語では、登場人物・心情を読み取れているか、登場人物の関係性を理解できているか
などです。
同時にバンコクにいらっしゃったあと、どのようにして将来に活きる学力をつけていくかを考えることも大切です。「まずは新しい環境に慣れてから、少しずつ増やそう」と大人側は考えてしまいがちですが、徐々に増えていくのをつらく感じるお子様が多いです。新しい環境への順応性は年齢が低いほど早いですから、環境が変わるタイミングで習い事も始めていくほうが長期的に続けられることが多いように感じます。
バンコクには日本人学校生を対象とした学習塾が多く存在します。ただ、塾によって指導方針や指導内容は異なります。お子様の現状や将来像に合わせ、何を目的とするのか、何を当面のゴールとするのか、集団指導と個別指導のどちらの方がお子様に合うか、などによって選ばれるとよいでしょう。どの塾でもご面談などで塾の説明を聞くことができるでしょうから、一度教室に足を運んで、様子を直接見られるのもよいかと思います。
私たちあせすトンロー個別学習院でも、3月からの新年度授業を開講いたします。ぜひ教室に足をお運びいただき、体験授業を受けてみて、試して、選んでいただければ幸いです。
Commentaires