【ご相談】
インター校に子どもを通わせています。まもなく夏休みが来ます。子どもが通うインター校では、長期休み中に課題が出されることもなく、かなりのびのびと自主性に委ねられている印象です。うちの子は好きな科目は自主的によく勉強してくれるのですが、算数の問題を解くのがやや遅く、今後数年の間に日本に本帰国したあとに学校の勉強についていけるかな? と心配しています。
【ご回答】
インター校にお通いの方にとって一年で一番長い休みが間もなくやってきます。思いっきり遊ぶことや興味・関心のある分野により深く接することは大切です。反面、お子様のインター卒業までのタイ滞在は難しく、必然的に日本への本帰国後の生活も考えなくてはならない方がほとんどです。
よくお聞きするのは、今のまま日本に戻って大丈夫なのか、中学・高校受験や編入試験を乗り越えられるのか、その後学校についていけるのか、などです。
それにお答えするには、まず今のお子様の学習状況の客観的な把握が必要です。日本の学齢と照らし合わせて相応なのか。遅れているなら、どの教科のどんな内容なのか。また、インター校では、学習内容の理解が一定の評価になりますが、日本の場合、理解したうえで正しい解答に至ることが求められます。「学校で勉強したけれど点数が取れていない」というケースは往々にして起こるものです。今できることと今はまだできていないことをはっきりさせることで、次に取るべき対応が変わってきます。
次に、現状の課題に対して何が必要かを考えます。学習が遅れているなら、何年生まで戻って学習するのか。弱点単元が明確であればそこにしぼってやればよいのか。そもそもの練習量が足りないからできていないのか。やるべきことをリストアップしましょう。
リストアップできたら、それぞれの課題のゴールラインを設定しましょう。夏休み中に完了できないものは「この夏はここまでできればよい」と、目標を細分化してお子様に示しましょう。高すぎる目標ではモチベーションも上がりません。手に届きそうな目標であれば取り組みやすくなりますし、保護者の方にとっても達成を褒めるチャンスが増えますね。
さて、科目別にみましょう。算数では、①基礎的な計算力、②解き方・考え方を自分の言葉で説明できる、③範囲が広い問題で、問題を解くのに必要な解き方を随時ピックアップできる、などで一定の点数アップが果たせます。①計算力不足では、市販のドリルなどをできるだけ毎日、時間を測り、点数をつけながら繰り返すことが大切です。これはご家庭でも取り組むことができますが、②や③は学習塾を活用するのも一つの手です。
国語なら、①漢字・語彙の向上、②物語:心情とその変化、場面の把握、③説明文:筆者の主張、主張を補強するための例や説明の把握、の3点が大切です。①は算数の計算と同様、日々の学習が大切です。夏休みの間だけではなく、学校がある間にも必ず取り組んでいただきたいですね。
いずれにせよ、この夏休みだけで完璧に解決できるものはほぼありません。ですから、「この夏休みにここまでは絶対クリアしよう!」とお子様に伝え、乗り越えるサポートをしていただき、達成できたら大いに褒めてあげることが必要です。世の中、褒められて伸びる人の方が圧倒的に多いです。子どもならなおさらです。褒める機会を増やすように、目標を細分化して伝え、がんばった→できた→褒められた!のサイクルをたくさん作りましょう。
Comments